私は愛知県で生まれ育ちましたが、私の両親は関東出身のため家庭の味は「関東風」。名古屋は魅力のない都市として取り上げられているし、私自身も愛知県は特に魅力のない県だと常々思っていました。

ところが〈発酵〉という眼鏡をかけて愛知県を見てみたら、これほどまでに醸造文化豊かな地域は他にない！と断言できるほど、魅力あふれる地域に変わりました。灘・伏見に次いで栄えた愛知の日本酒、三河の味淋、吉良町の饗庭（あいば）塩、半田市のミツカン酢、武豊町のたまり醤油と碧南市の白醤油、岡崎市の八丁味噌…和食の基本「さしすせそ」がすべてそろう県であり、それらの歴史は100年以上続いています。歴史がある蔵が多く、昔ながらの製法を実直に守り伝えている生産者さんたちが多いです。

名古屋校では地元の食材や調味料を使用し、歴史やこだわりのある蔵や生産者さんの素晴らしさをお伝えすることで、多くの方にファンになってもらいたいと思っています。