【緊急コラム第二回】免疫力って何?

投稿日:2020.03.04 カテゴリー:発酵コラム

こんにちは。
発酵ライフ推進協会 代表理事 是友麻希です。

皆様の不安を少しでも解消できるよう昨日よりスタートしました緊急コラム。

第二回目の今日は、
免疫力って何?というお話です。

(第一回目の「ウイルスと微生物って何が違うの?」はこちら

今回も、日本消化管学会胃腸科専門医で総合内科専門医の井上宏貴先生にお話を伺いました。

【是友】
連日テレビでも、新型コロナウイルスの感染予防策が放送されていますね。
一時はお湯を飲むといい、とか、いろんな情報が飛び交っていましたが、
改めて、どういう予防をしたらいいのか、
また万が一感染しても重症化しないためには、
どうしたらいいのかを、教えてください。

【井上】
新型コロナウイルス感染症の患者1人から移る可能性のある人数はおよそ2.2人と言われています。
これは、新型インフルエンザと同程度です。

発症時の症状としては発熱、咳が多く、全身倦怠感や筋肉痛、痰、呼吸苦なども生じる事があります。
感染者の約8割は軽症ですが重症化することもあり、死亡率は約2%程度と報告されています(いずれも2020年2月29日現在)。

高齢の方や基礎疾患(糖尿病、心不全、腎障害、透析を受けている方や免疫抑制療法などにより免疫力が低下している方)が重症化リスクが高いと考えられています。
治療としては対症療法で、重篤化した場合は人工呼吸器などによる管理が必要となる事があります。
現在、アビガン(抗インフルエンザ薬)やカトレラ(抗HIV薬)、レムデシビル(エボラ出血熱治療薬)の新型コロナウイルス感染症に対する効果の観察研究が始まっています。

感染予防としては咳エチケットを守るとともに手すり、つり革等の不特定多数の方が触れる場所に接触した後は
その手で目や鼻、口などを触らず、手洗いを励行する事などがあげられます。
また、コロナウイルスはエンベロープを有するウイルスなのでアルコール消毒が有効です。

【是友】
まずは、手洗い、うがい、アルコール消毒の徹底ですね。
免疫力が低下していると、重症化のリスクが高いとのことですが、
免疫力を上げていると、新型コロナウイルスにかからないのでしょうか?

【井上】
いや、免疫力を上げればコロナウイルスにかかりません!とは言えません。
ですが、日頃から免疫力をあげて元気に過ごすことは、感染予防の観点から見ても、とても大切なことです。

【是友】
そもそもなんですが、免疫力って何でしょうか?

【井上】
「疫(=病)」を「免れる」との字義通り、体内に備わっている、病原体(細菌、ウイルスなど)に対する抵抗力の事です。

ウイルスや病原菌などの体にとっての異物が体内に侵入すると、体の免疫システムが働き、侵入してきた異物から体を守ってくれます。
また体内で発生した癌細胞などにも対応します。
病原体が初めて体内に侵入した際に病原体を処理する自然免疫と、同じ病原体が2回目以降に侵入してきた際に効率的に病原体を排除する獲得免疫に分かれます。

【是友】
免疫力が下がると、どうなるのでしょうか?

【井上】
免疫力が下がると、
感染症や癌など、体の病気にかかりやすくなってしまいます。
睡眠不足、運動不足や強いストレスなどが免疫力低下につながってしまうため、
できれば睡眠は7-8時間程、適度な運動、バランスのとれた食事摂取などを行うことが大切です。
あと笑うことも大切ですね。

【是友】
私、毎日、爆笑していますよ(笑)

あとは、毎日、発酵食を食べています!!

発酵ライフ推進協会では、発酵ごはんでバランスのよい食事を心がけ、
元気に過ごせる身体作りを提案しています。
免疫力が上がったかどうかは、自分ではなかなか分かりませんが
お通じがよくなったり、腸内環境がよくなった感じがする、という方が沢山いらっしゃいます。
これも、免疫力アップに繋がっていると言えますか?

【井上】
腸は、口から食べた食べ物を消化・吸収する場所ですが、外部から体内に入ってきた食品と一緒にウイルスや病原菌などが侵入してくるリスクが高い場所でもあります。
そのため、腸の内側には、免疫をつかさどっている免疫細胞が集中しているのです。

また腸内には100兆個以上の細菌が棲みついており、腸内細菌の状態が糖尿病の発症や肥満、アレルギーなど様々な疾患の発症、悪化に影響する事も分かっています。
腸内細菌が正常に保たれ、腸管粘膜を刺激することで腸管粘膜の代謝がよくなり、細菌などの病原体の血中への侵入を防ぐなど、腸管粘膜のバリア機構の維持にも繋がります。
つまり、腸管粘膜の細胞同士の結合がちゃんとしていて、管腔内の細菌が体内へ侵入してくるのを防いでいる、という事です。
よって、腸内環境を良くする事は、免疫力を上げる効果があると考えられます。

【是友】
なるほど。
日頃から、免疫力を上げて、ウイルスに負けない身体作りをしておくことが大切ですね。
井上先生ありがとうございました。

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3月14日(土)10:00~11:30

是友麻希の元気の秘訣をお教えします!!
不安なニュースが続きますが、免疫力を上げて、元気な身体作りをしていきましょう!


井上宏貴先生

岩手医科大学医学部卒業。
日本内科学会総合内科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医、日本温泉物理医学会温泉療法専門医、日本消化管学会胃腸科専門医 他

岩手県立久慈病院にて救命救急医療を中心に研修後 順天堂大学膠原病・リウマチ内科にて東京都難病関連事業の難病巡回相談や専門診療に従事。
その後関連病院勤務を経て現在は総合内科医として診療を行うと共に、学生や医療従事者などへの教育活動を行っている。